訳注:この記事で語られるマカーモーンの樹(ต้นมะค่าโมง) はマメ科の樹です。
ソース
ข่าว "ตัดต้นมะค่ายักษ์อายุนับร้อยปี" คว้ารางวัลข่าวยอดเยี่ยมของไทยรัฐ
http://www.thairath.co.th/content/region/96795 キャッシュ
プレー県は、林業と、ここ何年も続く森林の違法伐採で有名な県である。森林伐採により、ここ毎年深刻な水害が起きている。
プレー県内で、樹齢数百年の巨樹を違法に伐採するのは、未だによく見かける光景である。悪意を持った資本家、政治家、公務員の共謀と実行により、巨樹が傷つけられるのを見た住民の心は悲しみに震える。
プレー県フアイメーパーン山中に、太さは10人が抱える程、高さ40m、樹齢百年以上、プレー県内に最後に残ったマカーモーンの巨樹が一本ある。今まで政治家や公務員、影響力のある資本家からの指令による伐採に遭わずにいた。
この樹齢百年以上に見える、プレー県で最後の一本となったマカーモーンの巨樹が倒されたことを知った住民は、悲しみと諦めに促され、暗黒資本家への遠慮と恐れを振り捨て、当局に知らせるべく訴え出た。
2009年5月31日の午後、プレー県ローン警察署長ワサン・マッタヨムナン警察大佐は、プレー県森林保護局第22事務所所長パッカディー・ソムチャイ氏と、森林保護局員と協力し、資本家が巨樹を伐採していると住民が訴えた場所に赴いた。
係官たちが徒歩でフアイメーパーン山にある林に着くと、そこには驚くべき光景があった。マカーモーンの巨樹が倒され、地面に重ねられていた。ある係官は「生まれてからこれほど大きな樹を見たことがない」と語った。係官が現場を調べると、倒されたのはマカーモーンの樹であり、幹は真っ直ぐで美しく、高さは約40m、幹は10人が手をつなぐ太さ。伐採された後に積み置かれた丸太は全部で21本、直径は2.5mだった。
資本家が山から移動することができないため、違法伐採された木は放置され林から運搬されるのを待ったまま放置されている。牽引用の象を何頭も使う必要があるが、雨季のため移動は困難だ。
森林保護局の係官がランパーン県象センターから象2頭を呼び、マカーモーンの丸太を山から曳き降ろしたが、初日は雨が強かったため、3本しか降ろすことができなかったが、翌日にはそこにあった丸太全てをプレー県森林保護局第22事務所に保管することができた。本件は警察に移管され、不正を犯した犯人を捜査し、不法伐採で告訴することになる。
タイラット紙の記者が現場に赴き、このマカーモーンの樹を伐採した犯罪の写真を撮影し取材をした後、世話役を自称するある男性と大物政治家の手下から電話があり、この事件を紙面に載せないよう脅しをかけてきた。新聞の評判が落ちることを憂慮しており、もし記事を掲載した場合は身の安全が保証できないと言う。
しかし記者は記事を送り、タイラット紙はマカーモーンの巨樹を切り倒す違法組織の詳細を明るみに出した。
2009年6月1日、プレー県知事ワンロップ・プリンポン氏は、プレー県の最後のマカーモーンの巨樹が伐採された報告を受け、関係各省の担当官を現場へ派遣した。樹が伐られた状態を見ると、ワンロップ県知事は驚き遺憾の意を示し、ローン郡の郡長に命ずるよりも先に、伐採した容疑者を急ぎ捜査し法的措置を執るよう担当官に命じた。
これと同時にワンロップ県知事は、違法組織によって押収した丸太が盗まれ移動されることのないよう命じ、マカーモーンの巨樹を伐採に関与した容疑者を徹底調査し、この地区の責任者についても職務怠慢を調べるよう命じた。
その結果プレー県知事は行政機関と森林局の両関係機関から証言を得て、ローン郡長を即座に他の地域に配置転換した。
後の2010年6月3日、森林局長は11の森林局係官に対し、配置転換を命じる指示書を発行し、委員会に係官の関与の有無を調べるよう命じた。
一方の警察では、係官の捜査により明白な証拠が発見され、伐採した樹木をある人物が北部の古寺に70万バーツで販売しており、法的措置を進め現在では検察の段階まで進んでおり、容疑者は保釈中である。
マカーモーンの巨樹を伐採する事件を掲載した後、それを不満に思った木材の不法組織から脅迫電話や記者の車を尾行する脅迫があった。新任のプレー県知事ソムチャイ・ホッタヤタン氏とプレー県指令チャローンチャイ・ブリーラット警察少尉が、記者の護衛のため常に警察官を配備しており、それは今も続いている。
この記事は、森林の保護管理に関わる人々に直接の影響を与え、樹木を伐採し破壊する組織を監視し逮捕する結果になった。このマカーモーンの巨樹を伐採する秘密の暴露は、罪を犯した人を捜査し逮捕させ、二度と伐採をさせないための保護の始まりとなった。
タイラット編集局は、プレー県のピジット・ソムサック記者によるこの記事をタイラット紙「2009年度記事大賞」の受賞記事とする。