2010年7月15日木曜日

超クール 子供のタイ音楽隊 「いつかリンピン並の有名人になる」

ソース
เจ๋งโคตร..กลุ่มดนตรีไทยเด็ก(แหวก)แนว "วันนึงผมจะดังเหมือนหลินปิง"
http://www.thairath.co.th/content/life/95992 キャッシュ

週末にチャトゥチャック市場を通りがかった人なら、この元気な若者たちが奏でるタイの伝統音楽の音色を耳にしたことがあるだろう。彼らの音楽を聴くと、びっくりし、興味が湧き、気分が楽しくなってくる。そして市場のこの近くを通りがかった人たちが立ち止まり、音楽に耳を傾けるため、その道はいつも人だかりができている。

もし彼らの演奏している音楽が、空の楽器ケースを置いて演奏する若者と同じく単に楽しみが目的ならば、それもまた良いだろう。しかし彼らがやっていることはそれとは全く異なり、自分以外の誰も助けてくれない、貧困に打ち克ち生活費を稼ぐ仕事なのだ。

ティム兄貴ことカムピー・スワンホン(22歳)は、通行人の人気を集めるこの4人のタイ伝統音楽団のうちのひとりであり、ラーチャパット・プラナコン大学に通っている。彼によると、家が貧しいため、すでに出稼ぎに来ていた兄を頼ってブリーラム県から出て来た。自分が大学に入った後、弟と一緒に楽団に参加している。家族は古典音楽に親しんでおり、祖母が古典芝居をやっていたため、子供の頃から音楽を教えてくれた。そのため兄弟とも演奏の基礎ができている。あの日祖母からもらった最後のプレゼントが、彼らの生活費を得る大事な収入になり、自分を進学させてくれた。

「僕の4人の兄弟は全員男子です。最初は兄がバンコクに仕事に来て、それから僕と弟があとから進学のため来ました。でも家が農家なので、収入はあまり良くありません。両親に、進学させてもらって4人兄弟を養ってもらうのは無理でしょう。だから学校に通いながら働かないといけません。最初は何をしたらいいのかいろいろ考えました。上から2番目の兄が音楽を演奏して投げ銭を集めようって誘ったんです。僕らは音楽ができますから。最初に演奏した場所はチャトゥチャック公園でした。でもそのときは興味を持ってくれる人はあまりいませんでした。そこでやり方を変えて、ホテル・カルフォルニア、ゾンビ、イエスタデイ・ワンス・モアといった洋楽や、タイのヒット曲も演奏してみたら良くなってきました。始めてから8ヶ月になり、メンバーも8人に増えました。その時々で全員は揃わないので、そのときは手の空いている人が来て演奏しています」

彼らが毎日やっていることは、普通の若い人ならばあまりやりたがらないことかもしれない。しかし演奏している若い彼らは、全く照れない、他人がどんな目で見ているかは全く気にしないと言い切った。彼らがしているのは自分の未来を良くするためであり、今日よりも明日は幸せになるためだ。

「道端に座っているとき、偶然大学の友達に逢ったこともあります。先生に逢うこともありますよ。その時は微笑みます。恥ずかしくはありません。悪いことではありませんし、真っ当な仕事です。演奏も一生懸命やっていますし、誰かの同情を買おうともしていません。僕らは普通の服を着て、腕で稼いでいるだけです。演奏に行くと店主や人が来てうるさいと言われ、邪魔をされることもあり、そのときは僕らも場所を変えます。説教されることもありましたけど、今はみんな知り合いになりましたよ(笑)」

彼らの考え方を知ると、彼らの発表する音楽とあまりに違うので不思議に感じる。しかし経験した苦労が影のように張り付いているために、彼らは日々を楽しく暮らす以上の何をするべきか考えるようになったのだろう。

「僕らがいつも、いつか将来は今よりもよくなるだろうと考えています。空の楽器ケースを置いて音楽を演奏するのは、僕らの明日の人生を広げるために、お金を稼いでいるのと同じことです。もしいま僕にお金がなければ学費を払うことができません。将来はもしできるなら有名な演奏家になりたいですね。でも年を取ったら、安定した仕事に就きたいです。タイの古典音楽の先生、でなければ洋楽でもいいです。そしたら両親にいまよりも楽をさせられますから」

空の楽器ケースを置いて音楽を演奏する彼らに、問題はなかったのだろうか?赤服のデモの際は、彼らはサイアム・スクエア地区での演奏を休まなければならなかった。

「あの期間はサイアム・スクエアでの演奏は休みましたから、少し収入が減りましたけど、大したことはありません。誰かを責めたくはないんです。得られるお金は、通り掛かる人がどれだけ満足したか次第ですから。彼らの元気ももらいましたし、だから僕はデモ隊も政府も責めたくないんですよ。けどひとつお願いしたいのは、タイの文化、特にタイ音楽の振興をしてほしいということです。そしてやりたい事ができずにいる人に機会を与えて欲しい。ときどき僕らもパンダが羨ましいですよ。あれぐらい有名になりたいですね(笑)」

彼らの話を聞くと、バイクで暴走したり、抗争で命を落としたりして刹那的な日々を送る若者たちのことが頭に浮かぶ。今日はここで彼ら若者と会う機会を得たが、最後の質問をしてから、彼らに演奏を続けてもらおう。彼らの答えはこうだった。

「僕は彼らのことは知りません。でも僕の知る限りでは浪費だと思います。本当にお金がもったいないですよ。用務員や建設現場の作業員の子供たちがそういうことが好きなので、僕らが預かって、一緒に音楽を演奏したことがあります。それ以外の人のことはあんまり話せないですよ。彼らはお金を持っていますから。彼らの両親は買ってあげることができますが、僕にはそれはありませんでしたから、なんであんなことをするのかわかりませんね」