2010年6月15日火曜日

干しバナナ名産地の雨乞い儀式は雷魚にお祈り

ソース
เมืองกล้วยตาก ทำพิธีขอฝน สวดคาถาปลาช่อน
http://www.thairath.co.th/content/region/89511 キャッシュ

旱魃のため伝統儀式で108遍の雨乞い。カムペーンペット県のペートオーム村では、粘土で作った雷魚と動物が、暦通りの雨を呼んでくれると信じている…

記者はカムペーンペット県カムペーンペット郡ニコムトゥンポータレー区ペートオーム村の住民からの知らせを受けた。この村に住む住民が集まり、天地の神が空から雨を降らしてくれるよう、雷魚に祈りを捧げる儀式を行っているという。この儀式は大昔から伝わるが最近は見かけないため、広く世間の人に見てもらいたいと、記者が取材のため現地に赴くと、先述の村では大勢の人が集まって忙しそうに土を練って、ヒトを含むいろいろな動物の像を作り、野原の真ん中で雷魚に祈りを捧げる儀式の準備をしているところだった。

ペートオーム村の伝統儀式に詳しいマーノップ・サーイプーン氏(68歳)は、次のように語った。いま見ているのは、雷魚に祈願する雨乞いの儀式の準備だ。今年の旱魃の被害は深刻で、雨季に入っても暦通りの雨が降らず、ニコムトゥンポータレー区を通る運河は乾き切っている。小川や沼地、運河、湿地などあらゆる場所にある水も同じように干上がった。そのため多くの村人が、神様への雨乞いの儀式を復活させることになったが、いろいろな儀式があるものの、ヘー・ナーン・メーオ(猫の雨乞い行列)は動物を虐待するのでやらずに、祖父母の代から伝わる、雷魚に108遍の祈りを捧げる雨乞いの儀式を執り行うことにした。

マーノップ氏はさらに以下のように語った。雷魚に祈願する雨乞いの儀式は代々伝えられており、暦通りの雨が降らなかった年は、雨乞いの寄進をしなければならない。住民の真ん中の土地を選び、目の高さの祠を立てて傘を差し、柔土を捏ねて雷魚・蟹・亀・牛・水牛・人・蛙などの命あるものを作り、手順に沿って拝んだ上で、可笑しな粘土の人形を、地面を掘って水を入れた穴の中や周辺に置く。

お供え物を載せる網を置いて礼拝し、人間の下界と天国の上界を分けてくださるよう、人間界に暦どおりの雨が降らず困っており、神様の助けを求めて儀式をしているのを樹の精が見てくださり、空の雨が降って助けてくださるようお祈りする。それから僧侶を招いてお経を唱えて頂くが、このとき雨乞い、もしくは村人が雷魚の祈りと呼ぶお経が必要だ。夜明けに村人が食べ物を持ち寄りお坊さんに捧げ、それを食べ終わったらもう一度雨乞いの祈りを捧げる。

マーノップ氏によると、雷魚の祈願には言い伝えがあり、昔々のころ、菩薩様は雷魚のお姿をされていたそうだ。しかし菩薩様は小さい魚や小さな動物を食べたことはなく、代わりにお召し上がりになったのはレモングラスのジュースや海苔などであった。雨が降らないとき、水が干上がり魚が死にそうになると、菩薩様は沼から顔を出し空を見上げて仰った。「雨の神様、私は魚でありますが、魚や稚魚の群れを食べたことはありません。いま友達たちと私はとても苦しんでおり、水が足りずに死にそうになっています。どうぞ偉大なお力を以て雨を降らせてくださいますよう、お願いいたします」菩薩様が祈り終わると、それは美しい雨が降り始めたが、そのときに雷や雷光、稲妻は全くなかったそうだ。