ヤシキクイムシ、南部では別名ココナツムシ
「ヤシキクイムシ」(Pin-hole borers)はタイ南部に広く分布しており、ココナツの樹を住処にしている。そのため地元の人々はこれを「ココナツムシ」と呼び、かつては飼料代を節約するために、これを家禽のエサにしていた。
しかし、ココナツムシの体には大量の蛋白質が含まれていることが知られるようになると、ムシ食う人びとは手のひらを返して興味を示すようになった。いつもバンコクや他県の街角で見かけるムシ売りの屋台では、竹虫や蜂の子が売られており、そのムシの売買価格はキロ当たり250バーツになる。
農業振興局アート・インタラック局長によると、この事業は養蜂家や養虫家がそれほど多くない元手で始めることができるため、農業振興局やその関係機関は、興味のある農家に対し、ムシを養殖し収入を得ることを勧めている。この種のムシは天然のココナツや椰子の木に住み着いているが、飼育してムシの屋台に販売すれば、収入を得ることができる。
屋内で飼育を始めてわかったことは、ムシがなによりも好んで食べて早く成長するエサは、ココナツの繊維、ココナツの実の細切れ、米ヌカ、キャッサバを1:1:1で混ぜたものということだった。オス1匹に対しメスを10匹入れて、一緒に過ごして10日ほどたつとメスは卵を産み、さらに2~3日経てば卵は孵化して幼虫が生まれる。それから1~2ヶ月が過ぎると新人たちは丸々と太るので、適当な奴を選んで売り飛ばせば良い。
一族郎党を繁栄させるためにオスとメスを選ぶなら、そこからさらに140日間、飼育を続けたほうが良い。そこまで育てると成長は止まり、オスの外見はメスにそっくりになる。ムシの上側にある体毛の先端近くはオス・メスともに色が付き、背中には色々な模様が出てくる。両脇には端から端まで一直線のくぼみができて、頭から尻尾までの長さは25~28mmになる。
5~6ヶ月ほど繁殖を続けるとこの親虫は死んでしまうので、その日が来るまでせっせと働いてもらってください。
ご興味がある方、詳細をお知りになりたい方は 0-2940-6102 まで、官公庁の就業時間内にお問い合わせ下さい。