ソース
ปริศนา?? บั้งไฟพญานาค : ต่างมุมต่างความคิด
http://www.manager.co.th/Travel/ViewNews.aspx?NewsID=9480000132441
くるくると回る私たちのこの地球では、まだ答えが見つかっていないさまざまな神秘が存在している。例えば地球外生命体や、幽霊、バミューダトライアングル、その他いろいろたくさんのことであり、知りたがりで見たがり屋の私たち人間が、これからも調査研究を続けていくこととだろう。
我らがタイ国の東北地方でも、神秘的な謎がひとつ存在しており、さまざまな観点から議論されている。それは地元の人からは「バンファイ・ピー」または「バンファイ・パヤーナーク」と呼ばれている、内側が桃色をした赤色の火の玉であり、出安居のその日だけ、メコン川の流れの中から突如現れる。
議論されているのは、バンファイ・パヤーナークはいったい何から発生しているのだろう、ということだ。現在のところ最も有力で人々が信じている説は2つあり、ひとつは龍神パヤーナーク(=ナーガ)による説、もうひとつは自然現象による説である。人間によるという説に関しては、さまざまな理由により現在ではあまり信じられていない。
かつてポーンピライ郡教育委員だったコーメーント・ポータワット、もしくはコーメーントおじさんによって、バンファイ・パヤーナークのいままでの歴史が述べられている。
内側が桃色をした赤色の火の玉 メコン川の謎の火の玉
「バンファイ・パヤーナークは二千年以上昔から存在しており、お釈迦様が天国から降りてきて母君をお慰めになったころから始まっている。旧暦11月15日の出安居の日、ポーンピライ郡では電飾を付けた船を浮かべるお祭りがある。僧、少年僧、老若男女あらゆる人々が集まり、水に浮かんだ船が流れていくのを川岸から眺め、歌あり踊りありの陽気で楽しいお祭りで、自分たちの火の玉に点火する。すると申し合わせたかのように、同時にメコン川からバンファイが上がる。若い人たちは、おじいさん、バンファイは何から生まれるんですか、バンファイは何ですか、と尋ね、老人たちは、メコン川の川底はパヤーナークの住処で、今日はパヤーナークが皆に喜び褒め称えるためにやってきたんだろう、と答える」
「ポーンピライ郡の住民にとって、バンファイ・パヤーナークは日常の出来事である。しかしここに赴任してきた公務員や仕事で来た人など他所の人にとっては、来て自分の目で見ると不思議な出来事に映るようだ。旧暦11月15日が来ると、ここで火の玉はいったいどうやって上がるのだろうと親戚や友達を連れて見に来るため、だんだん口伝てに知られるようになった」とコーメーントおじさんは語った。
誰がバンファイを生み出しているのかについて意見を尋ねると、コーメーントおじさんはまだ断言はできないが、と前置きした上で、自然現象かメタンガスが原因ではないかとの見方を示した。
「誰がやっているのかと訊かれれば、誰もやってないと答えるしかない。しかしメタンガスが原因だと断言することもできない。説明によれば、動植物の死骸からメタンガスが発生するということだが、コンケン大学の博士によれば、メコン川の流速を考慮すると動植物は堆積しないため、メタンガスは存在しない。そしてもう一点、メコン川は砂でできているため、メタンガスは発生しない。さらには、もしガスが発生するなら、どうして旧暦11月15日だけに起きるのか、自然現象なら常に発生するのではないだろうか」
毎年、出安居の日にはあらゆる地方から人々が訪れ、混雑の中でバンファイ・パヤーナークを待つ。
「バンファイがどうやって発生するのか、私は伝えることはできない、だって本当に知らないんだからね。しかし、もしパヤーナークが本当にいるのかと訊かれれば、絶対にいると答える。メコン川低地のこの近辺は、どの村も全てナーガの故郷だ。ヴィエンチャンとノーンカーイから生まれたのはパヤーナークただひとつ。二千年以上昔のナーガがいまでも人々を助けている。二千年前と今では人の美徳も変わってしまったけどね」
「若い人たちの心の中にはもうパヤーナークは住んでいないのかもしれない。でも私たち年寄りは皆心の底から信じている。仏教を信じているなら、三蔵を読んだことがあるだろうし、その中での仏教とパヤーナークが強く結び付いていることに気付いただろう」
科学者から見た別の角度からの意見として、ノーンカーイ病院のマナット・カノックシン医師は、バンファイ・パヤーナークは間違いなく自然現象だと断言する。
「私はバンファイを距離10mほどのすぐ近くで見たことがあり、水面が乱れ、火の玉が飛び出すことに気付いた。常識で考えて、これを人間がやるのは不可能だ。一部の人々は超常現象だと言っているが、われわれ科学に携わる人間が説明できないと言うならば、他の人々も説明できないだろう。しかし、もし本当に自然現象だとするならば、いったいどうやって起きているのだろう」マナット医師はバンファイ・パヤーナークについて最初から話し始め、続けてバンファイ・パヤーナークがどのように発生するか仮説を語った。
コーメーントおじさんと、メコン川岸のポーンピライ郡で見られるパヤーナークと信じられている痕跡について
「満月の夜、なぜ力が満ち溢れる気がするのだろう。月が満ちるとき、満月に近ければ近いほどに活気づいてくる。私の考えでは、ひょっとすると大気の成分が変わるために、泡になって湧き出る天然のガスと反応した場合、満月とどんな関係があるだろうか。答えは重力だ」
マナット医師が説明する仮説はすなわち、バンファイ・パヤーナークが起きる時期は、太陽と月からの重力によって、大気中に含まれる酸素の密度が高くなる。そこで太陽からの光がオゾン層を突き抜けて降り注ぐと、酸素分子は分裂し、高エネルギーを持った酸素原子がメコン川から発生したメタンガスと燃焼反応を起こし燃えたものが、バンファイ・パヤーナークである。
マナット医師は酸素測定器を用いて実験を行っている。「その結果わかったことは、酸素濃度が上がるときはバンファイが発生し、濃度が低いときはバンファイも発生しない。この測定を6年間続けてきたが、これが自然現象でなかったら何だというのか」そしてタイだけでなく、サウジアラビアの紅海でも同じ現象が発生している。
#訳注 11月の満月だけに発生する理由を説明できてないと思いますが。
マナット・カノックシン医師はノーンカーイ病院の常勤医師である。
マナット医師にパヤーナークの話について尋ねると、「村人が信仰していることで、証拠も揃っており、筋の通った話だ。彼らの信仰は私も尊重する。しかし私はそこでは調査していませんので、肯定も否定もできません」
しかしマナット医師がひとつ不安に感じているのは、バンファイの数が毎年だんだんと減っていることだ。その原因としては、オゾン層の破壊、川岸に築かれる堤防、メコン川での砂利の採取、また中国におけるダムの建設など、これらすべてが間違いなくバンファイ・パヤーナークに影響している。「バンファイの火の玉の個数はだんだん少なくなっており、あと3~4年すればなくなってしまうかもしれない。今年は100個も見れたら運がいい」とマナット医師は語った。
バンファイが何から生まれるにせよ、いまだ明確な結論が出てない限り、誰もが自分自身の信念に従って、自分の考えを持つ権利があり、真偽を問われることはない。しかし「この世に秘密なし」の言葉は、バンファイ・パヤーナークを含む全ての事柄に当てはまるだろう。ただひとつ言えることは、この秘密がいつどうやって明かされるかは、まだ誰も知らない、それだけである。