11月7日のCNNの報道によれば、イリノイ州第8選挙区において、タイとアメリカのハーフである、民主党の下院議員候補ラッダー・タミー・ダックワース(Ladda Tammy Duckworth)女性少佐が、共和党から立候補しティーパーティー運動の支援を受けた現職のジョー・ウォルシュ氏を破り、タイ系アメリカ人としては初めての下院議員に当選した。NBCの報道によると、ラッダー女性少佐の得票率は 56.3%、ジョー氏は 43.7% だった。シカゴ市内の報道局は一斉に当地における女史の当選を報じた。また、ジョー氏がラッダー女性少佐に電話をかけ、祝福の言葉を贈り、敗北を認める様子も報じられた。
民主党による選挙前の予想では、イリノイ州第8選挙区は下院の議席を確保できる州のひとつとされていた。2010年の中間選挙により、下院で共和党の議席数を下回り、バラク・オバマ大統領の職務に影響を与えるようになってからは、引き続き議席を保持できるだけの得票を狙っていた。
ラッダー・タミー・ダックワースの経歴は、1968年3月12日バンコク生まれ、父は退役軍人のフランク・エル・ダックワース、母はラマイ・ソムポーンパイリン。家族は父の仕事の関係で東南アジアの各国を移り住んだ。ラッダーはハワイで高校と大学、ジョージ・ワシントン大学で修士過程を修了し、現在はノーザンイリノイ大学で博士課程を学んでいる。
ラッダー・タミー・ダックワースはイラク戦争の退役軍人であり、ヘリコプター・ブラックホークのパイロットでもある。ラッダーが操縦していたヘリコプターはイラクで撃墜され、ラッダーは両足と右手の機能の一部を失い、パープルハート勲章(訳注:作戦行動によって死傷したアメリカ合衆国全軍の兵士に対して与えられる)を授与された。ラッダーはイリノイ州退役軍人活動協会の会長に就任し、2006年にはイリノイ州の下院議員選挙に民主党から立候補した。
また、2012年にはオバマ大統領によって退役軍人長官補佐官に任じられている。この職でラッダーは退役軍人向け政府部門のサービス向上と、行き場のない退役軍人の問題解決に尽力している。ラッダーは夫のブライアン少佐とイリノイ州ホフマン・エステートに住んでいる。